J1清水DF岩下敬輔(21)が、次節の千葉戦(15日、フクアリ)で右サイドバック(SB)として先発出場する可能性が高まった。8日の開幕戦(対大分)で負傷交代したDF市川大祐(27)が、左ひざ内側側副靱帯(じんたい)損傷で全治2週間となり欠場が決定的。11日の試合形式の練習では、岩下が主にSBとしてプレーした。昨季8月26日新潟戦でも市川の代役として出場しプロ初ゴールを決めた岩下が、今回も代役以上の働きを見せる。

 開幕2戦目にして、清水に早くも転機が訪れた。開幕戦で負傷交代したDF市川の次戦離脱が確定。この日の練習では、主に岩下が右SBを務めた。昨年8月の新潟戦でプロ初ゴールを決めた、右SBでの今季初出場の好機に、岩下は「けがでのチャンスですが、もらえればモノにしたい」と力を込めた。

 開幕戦では悔しい思いを味わった。市川が前半17分すぎに負傷。代わりに立ったのは、岩下でなく新人DF辻尾だった。「1点取られている状況で攻撃的にいきたいのはあったと思うけど(右SBを)やったことはあったし準備していた。まだまだ信頼を得られていない」。悔しさは練習にぶつけた。この日も激しい守備はもちろん、前線へのフィードなどで持ち味をアピール。長谷川監督は「しっかり守れてフィードもできる」と評価する。

 2月の鹿児島キャンプ中には地元テレビに生出演し、母校の鹿児島実高グラウンド脇に書かれていた言葉「己に勝て!」と色紙にしるした。「いい時と悪い時の波が激しいとダメだと思う。自分をコントロールしていかないといけないですしね」。刺激もある。同期で同じポジションのDF青山がチームと五輪代表で主力を務める。それでも「ライバルだけど、いい部分はいっぱいあるし見習っていかないと」と、焦らず、着実に力をつけてきた。

 「結果にこだわってやらないといけない年。しっかり準備したい」。故郷で誓った言葉通り、岩下が千葉だけでなく己にも勝って、開幕2連敗を阻止してみせる。【浜本卓也】