<J1:G大阪2-2横浜>◇第12節◇11日◇万博

 G大阪MF遠藤保仁(28)が「休養効果」を結果につなげられなかった。右太もも裏の張りで、7日のACLチョンブリ戦を回避して横浜戦に先発したが、終盤2度の決定機を外し、2-2のドローに終わった。過密日程による疲労から、後半になると別人のように運動量が激減するチーム状態も深刻で、10位と低迷。ACL1次リーグ突破の喜びからわずか4日で、厳しい現実を突きつけられた。同じACL勢の鹿島も0-1で清水に敗れ、6試合連続未勝利の状態が続く。

 遠藤は思わず天を仰いだ。2-2の後半ロスタイム。ゴール至近距離で目の前にこぼれ球がきた。右足を振り抜いた。決めれば劇的な決勝弾。だが、鋭い軌道は無情にもポストの左をそれていった。後半39分にも同様のチャンスを外していた。

 「あれは決めるべきとこだった。特に2本目はけっこう落ち着いていたし…。相手DFがたくさんいたので、隅を狙いすぎた」。スタンドから大きなブーイングを浴びた。「同点はもったいない」と何度も後悔の言葉が口をついた。

 右太もも裏の張りで、7日のACLチョンブリ戦を回避した。「行こうと思えば行けたけど、監督がやめておこうと言ってくれた」。今季初のベンチ外を決断してくれた配慮が身に染みた。ACL1次リーグ突破を決めてくれたほかの主力は中3日だが、遠藤は中1週間。だから結果で応えたかった。「どんな状況であれ、決めないといけない」と自分を責め続けた。

 遠藤の不振に引きずられるように、チームも沈んだ。後半になると別人のように足が止まり、横浜の猛攻に防戦一方になった。疲労は明らかだ。ACLがないチームよりリーグ戦は1試合消化が少ないとはいえ、いまだ10位と浮上の兆しがない。次節17日は首位浦和戦。ACLの歓喜とは裏腹に、リーグ戦の苦悩が続く。【北村泰彦】