<静岡県高校総体サッカー>◇18日◇藤枝市民グラウンドほか◇3回戦8試合

 浜松北がPK戦の末、藤枝東を破り18年ぶりに8強入りした。試合の主導権こそ昨年の覇者・藤枝東に譲ったが、県内屈指の進学校で鍛えられた集中力を切らさず、過去1年で3戦無敗の“得意”のPK戦に持ち込んで勝利した。

 あふれ出る涙を止めることができなかった。PK戦11-11で迎えた浜松北12人目のキッカーFW長田一記(3年)が、胸に手を当て祈った。「入ってくれ」。左隅に突き刺さったボールを確認すると、号泣する仲間と抱き合い喜んだ。

 16日に48回目の誕生日を迎えたばかりの杉本幸久監督も歓喜の輪に加わり目を潤ませた。2日遅れのプレゼントに「100万回やっても1度あるかないかの奇跡ですよ。本当に選手がよく頑張ってくれた」。優勝したかのように騒ぐイレブンを誇らしげに見つめた。

 前、後半と全国選手権準Vの藤枝東に一方的に攻め立てられた。シュート数は延長戦も含め90分間で9対26。全員で体を張り、集中力を切らさず、守りきった。県内屈指の進学校で練習時間は1日2時間弱。京都大学総合人間学部を目指すMF藤田直大主将(3年)は「言葉に表せないくらいうれしい。集中して練習、勉強をしてきたのが生きた」と震える声で話した。

 次戦(24日、藤枝陸上)も強豪・清水商。「藤枝東のユニホームを見たら、かっこいいなーと思ったけど、同じ高校生。3年生は最後の大会だしここまで来たら、強いとこ全部倒してエコパ(決勝)まで行きたい」(長田)。浜松北の勢いは、まだまだ止まりそうにない。【鶴智雄】