札幌三浦監督「オレは辞めない」
コンサドーレ札幌の三浦俊也監督(44)が、日刊スポーツ新聞のインタビューに答え、前半戦を振り返るとともに、6月29日のアウェーG大阪戦から再開される後半戦の見通しを語った。MFアルセウの退団に始まり、けが人の続出、エースFWダビの退場などの逆風もあって3勝1分け9敗の17位と低迷した。今後も楽観できる状況にはないが、巻き返しを信じ「自分では辞めるとは考えていない」と「辞任」の2文字を封印。J1残留に向けチームの立て直しを誓った。
――前半戦が終了したが「収穫」と「誤算」は
三浦監督 収穫に関しては、ある程度メンバーがそろった時には十分やれるという手応えがあった。逆にメンバーがそろわないときつい。ダビがあのような形(4月26日新潟戦で乱暴行為を犯して退場、2試合の出場停止処分)で、けがとプラスして4試合、出てないですよね。やはりダビが出場できなかったのは大きかった。昨年レギュラーの日本人DF(西沢、西嶋、曽田がけがで)がゼロになったことも響いた。
――リーグ戦再開まで1カ月以上あるが
三浦監督 まず、ナビスコ杯はベストのメンバーでいきたい。
――新加入のエジソンも今週、登録が終了する
三浦監督 エジソンはまだ、そこまでの印象はないので(出場まで)少し時間がかかるかもしれない。DF西嶋、西沢もそれほど焦って使おうとは思っていない。(故障明けの)FW中山はナビスコの最後の方はいけると思っている。
――宮沢、西ら伸び盛りの選手を試合で成長させていく考えなのか
三浦監督 状況によりますね。基本線として調子が良い人間を使っていこうと思う。宮沢、岡本、石井らはこの機会にもう1度、鍛え直したい。
――補強も重要になるが強化部に挙げたリクエストは
三浦監督 FWであればセットプレーからの失点が多いので高さが課題。大きいのがいればと思っている。J1下位チームは必ず補強してくるでしょう。資本力勝負になると我々は確かに下。そこをどう選手起用とか、やり方を変えるとかで補えるかでしょう。
――若手とベテランの起用のバランスが難しいのでは
三浦監督 とにかく、今年の札幌は残留ありき。育成目的で若手を使ったから良いと言うことではない。レギュラー争いで若い選手が「若い」という理由だけで出場できるのは甘い。
――残留のポイントは
三浦監督 けが人がどのくらい帰ってくるかとあとは補強。これまで残留したチームを見ると、何か転機になるものがある。外国人選手の獲得、あと監督が代わるというのもある。そういった転機がないと苦しいのではないか。
――補強費は5000万円程度と言われている
三浦監督 当然、外国人を取るなら1人しか取れない。1人にするか複数にするか、今は正直分からない。今年はJ1が混戦で順位が離れていない。各チームが選手を出しにくい状況も我々にとってマイナスだ。
――負けが込んで「辞任」を考えたことは
三浦監督 監督を辞めれば良いと自分が思うなら辞めるし。チームがそれで良くなるのならば。自分のことを考えるのではなく、チームにとって一番良い方法を考えることが大切だ。
――その考え方でいうならば
三浦監督 自分では辞めるとは考えていない。監督が代わって良くなるチームもあるしね。こればっかりは何とも言えない。
――苦しい状況が続き、食事が取れない、眠れないということは
三浦監督 厳しい状況は1年中とまでは言わないけど毎年のこと。順調にいくシーズンはない。負けが続けば気分は良くないけどね。でも現実を受け止めて、何ができて何ができなくて、何が必要ということを考えて、自分たちができることをやっていく。できないことやっても仕方がないし。そこは客観的に考えるようにしている。
――監督は感情の波があまり見えないが
三浦監督 チームにとって厳しくやったほうが良いのか、一生懸命やった結果だから自信を失わせないようにするのか、それは考えている。ただ、監督がバタバタすると選手に伝染する。こうやったら勝てるといったことを示したい。
――選手とは一線を引いているように見えるが
三浦監督 友達関係っぽくはないですね。チームスタッフとは仲がいいけど。選手は仲間にはなれない部分がある。敵のチームに行ってしまえば「サッカーの仲間」だけど。自分のチームならば外したり、使ったりするので公平に扱わなければいけない。中心選手ばかり面倒を見れば、ほかの選手は気分良くないだろうし。
――選手と食事を行くことも
三浦監督 ないですね。サッカー界は1年中、移籍があるし。選手同士でやっているかもしれないけど歓迎会もなければ送別会もない。
――話は変わるが世界中の好きなチームで監督をしていいと言われたら、どんなチームの指揮を執りたい
三浦監督 ヨーロッパでやってみたいな。スペインならバルセロナとかね。アーセナルでもチェルシーでもいいけど。
――その時の戦術は
三浦監督 今札幌でやっている戦術と大きく変わらない。イタリアならイタリアの、ドイツならドイツの戦い方もある。選手の能力と国のリーグの特性を見極めないといけない。ただ、今の守備的な戦術は世界のトレンドだと思う。日本人はボールをつなぐサッカーを好む。逆にボールを支配するが点は取れないということもある。そこで満足してしまう。日本は一番良い選手が中盤をやる。そういうサッカーではなく、自分の今のサッカーを突き詰めたい。
――後半戦に向けて
三浦監督 まずは失点を減らす。得点は多くはないがまったく取れないというわけでもない。クライトンの加入は大きかった。攻撃のバリエーションが広がった。あとは全体の失点を減らすことで勝ち点は増えていくと思う。勝ち点は40のラインを目指してやらないといけない。札幌のサポーターも温かいですし。ってこれから冷たくなるかもしれませんけど。そうならないよう頑張ります。【取材・構成 上野耕太郎】
[2008年5月20日10時32分 紙面から]
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