札幌が異例のダブルヘッダーで「選考会」を実施した。コンサドーレ札幌は27日、札幌厚別公園競技場でG大阪と対戦する。4連敗中とJ1残留に向けてがけっぷちの状況だが、25日の練習では北翔大の練習試合後に急きょ、紅白戦を行い三浦俊也監督(45)が選手の調子を見極めた。降格圏内から脱出するためにも137日ぶりのホーム白星を狙う。

 現状を打開するために三浦監督が執念を見せた。この日、練習試合の相手を務めた北翔大に2試合分の「60分の3セットマッチ」を提案。さすがに「難しい」と断られると、すかさず手を打った。60分の練習試合を終えると、2人の練習生を加えた45分の紅白戦を実施した。三浦監督は「(次節の)G大阪戦だけではなくて、レギュラー争いは必要だから」と意図を説明した。

 G大阪戦を2日前に控えていたが、激しい紅白戦を課した。選手たちには複数のポジションを試し、できる限りの可能性を引き出そうとした。右サイドハーフと右サイドバックに位置したMF藤田は「昨日の横浜戦であまり良いプレーができなかったので、紅白戦で使ってもらえるようにアピールした」と話した。MF大塚も「紅白戦は相手のレベルが一緒なので気合も入りました」と振り返った。残留に向け、きっかけを探す指揮官に選手たちも猛アピールした。

 前節の横浜戦では今季初めて4-3-1-2の布陣で臨んだ。なりふり構わぬ一戦も敗れ4連敗。27日のG大阪戦で敗れるとJ1残留は厳しくなる。それでもあきらめはしない。「試合の中でもいろいろ試したが、この結果。あまり深く考えてはいけない」と指揮官は言いながらも、試行錯誤を続けている。DF箕輪は「監督が自分のやり方を捨ててまで勝ちたいという気持ちを表した。自分たちが結果を出さないといけない」と選手の気持ちを代弁した。土俵際まで追い詰められたが、戦う姿勢までは崩していない。【上野耕太郎】