<天皇杯:仙台2-0ニューウェーブ北九州>◇3回戦◇12日◇ユアスタ

 主力温存でリーグ戦から先発9人を入れ替えたJ2仙台が、2-0で完封勝ちした。JFLニューウェーブ北九州から、FW中島裕希(24)のゴールなどで勝利。だが故障でリーグ戦を離脱するFW平瀬、左サイドバック田村の代役探しと位置づけた試合で、手倉森監督のハートを確実に射止めた選手は、いなかった。J2山形は延長の末、日立栃木ウーヴァSCに勝利。それぞれ11月3日の4回戦で仙台は東京(味スタ)、山形は川崎F(等々力)のJ1勢と対戦する。ソニー仙台(宮城)はJ2のC大阪に0-1で惜敗した。

 前半20分、ゴール前に張っていた中島に、こぼれ球が転がる。右足でゴールネットに突き刺すと、右手を突き上げ「平瀬の代役はオレだ」と言わんばかりに喜んだ。だがその後、決定機を外しっぱなし。「得点は良かったけど、もっとやれた」と反省の弁ばかりだ。

 19日の愛媛戦で中島を7戦ぶりにベンチ入りさせるか、手倉森監督は明言しなかった。指揮官は「得点は評価する。ストライカーは点を取ると変わってくると思う。決定機も外していたけど、そこまでの形はいい」としながらも「代役決定か」との問い掛けには無言だった。

 田村の代役を争う磯崎は左で、田ノ上は右の両サイドバックで先発。同監督は「田ノ上は(終了間際の)得点で、磯崎は守りでアピールしたけど、2人とも球際の強さとかがもう少し」と、及第点しか与えなかった。この試合でFWとDFの穴埋めを見極めるという課題は、残ってしまった。【山崎安昭】