J1残留を争う東京Vが11月30日、元日本代表を含む主力選手の大量解雇に踏み切った。東京都稲城市のクラブハウスで、フロントが10人以上の選手に対し、来季の契約を更新しない方針を示した。中にはGK土肥洋一(35)DF服部年宏(35)MF福西崇史(32)MF広山望(31)といった元日本代表選手も含まれていた。

 クラブには、高齢化してきた主力の平均年齢を下げたいという狙いがある。また、親会社の日本テレビが9月中間連結決算で37年ぶりの赤字に転落した。さらに、J1残留が決定していない現状では、来季のスポンサー集めにも苦しんでおり、財政面は非常に厳しい。今回の大量解雇は、クラブの現状を顕著に表している。

 まだ試合を残しているため、クラブからの発表はDF海本幸治郎(31)DF足助翔(23)の2人だけにとどまった。クラブは全試合が終わった後で通知したい考えだったが、選手会と話し合った結果、希望者に限り、規約通りの11月中になった。この際、選手会は「たとえゼロ提示(解雇)を受けても、プロとして最後までヴェルディのために全力で戦う」という総意を示していた。ただ、解雇が多くの主力選手に及んだことで、チーム内に少なからず動揺は出てきそうだ。

 6日の川崎F戦、そして入れ替え戦の可能性も残っている。プロの世界では避けられない事態とはいえ、今後の戦いへの影響も懸念される。