<J1、J2入れ替え戦:仙台1-1磐田>◇第1戦◇10日◇ユアスタ

 手痛いアウェーゴールを許し、J1昇格を一気にたぐり寄せられる白星を逃した。J2仙台はJ1磐田と1-1の引き分けに終わった。前半41分、FWナジソン(26)のゴールで先制。だが後半8分、磐田MF松浦にミドル弾を許しドローに終わった。J1昇格には第2戦で、勝つか2点以上奪っての引き分け以上が条件になるが、チームの目標は「勝つのみ」と明確。手倉森誠監督(41)は、アウェーでの昇格を誓った。

 選手がピッチから引き揚げた後も、サポーターのエールは鳴りやまなかった。中2日での、アウェーでの勝利を願った祈りの声…。控室まで聞こえてくる大声援が指揮官の耳にも飛び込む。「相手よりも1点でも多く(点を)取る。アウェーで、しっかり取り返して勝ちたい」。手倉森監督は目を見開いた。

 磐田の猛攻をしのいでチャンスを待っていた。前半41分、ナジソンの先制ゴールに、スタンドがどよめいた。主将の梁は「1-0で折り返すプラン通り。でも相手が(後半8分に)ワンチャンスで決めるのは、さすがだなと思った」と磐田をたたえる一方で続けた。「今さら何を言っても仕方ない。アウェーで勝てばいい」。イレブンの目標は明確。勝って昇格だ。

 前半だけで3度、ピッチに担架が入るほど、激しい攻防を繰り広げた。引き分けでも十分な結果にも思えるが、2戦目を終えた時、命運を左右しかねないアウェーゴールを、格上の磐田に許してしまったのは、確かに痛かった。

 その事実を一番、理解しているのはベガルタ戦士たちだ。右足内転筋痛をかかえる梁は「足が壊れても絶対勝つ」と力強く語った。手倉森監督も「映像で見るより、実際に磐田の選手はたくましいと思った。ただ、うちもタフにやれていた」と自信を見いだす。6季ぶりのJ1復帰へ、チャンスは泣いても笑ってもあと1戦。昇格を願い、エールを送り続けたサポーターの思いを力に、ベガルタが最終決戦に挑む。【山崎安昭】