今季J1に初参戦する山形が、新潟との対戦をダービーマッチとして売り出していく。隣接する山形県と新潟県は、戦国時代の上杉家を通じて縁が深く、両県を舞台にしたNHK大河ドラマ「天地人」も4日に始まったばかり。このタイムリーな年に実現するJ1対決を、山形側が観客増の好機ととらえた。候補名称は「天地人ダービー」「上杉ダービー」「直江兼続ダービー」など。さて、J2仙台との「みちのくダービー」に代わる新名物になりますか…。

 最も動員力がある「みちのくダービー」が今季はない山形が、観客確保の代替策を考えていた。ターゲットは、J1の中で本拠地が最も近い新潟との対戦だ。山形・天童市(NDスタ)と新潟市(東北電ス)は約180キロ、車で3時間半の位置関係にある。その上、両県は「天地人」の放送で全国的に注目されている。同番組の4日の初回視聴率も24・7%(関東地区)を記録し、高い関心を向けられている。

 この好機を山形の海保宣生理事長(67)は逃さなかった。「新潟さんは『前向きに検討する』と好感触だった。ぜひ公式戦で実現したい。新潟へのシャトルバス運行など、これから調査していく」と既に新潟側に打診したことを明かした。

 両クラブの対戦は観客増につながった実績がある。ともにJ2だった03年4月29日、山形の本拠地で対戦し1万96人を動員。同年のホーム最多記録になった。新潟の昨季観客動員数は1試合平均3万4490人。1位浦和の同4万7609人に次ぐ動員力を誇っており、今季も期待できる。

 ダービーの名称については「天地人?

 上杉?

 直江兼続?

 何が良いのか、これからスタッフと考えていきたい」と海保理事長。具体的には、新潟との対戦日程が確定した後に決まる予定。J1に挑む山形に新たな楽しみが増えそうだ。【木下淳】