コンサドーレ札幌の石崎信弘新監督(50)は「札幌愛」で1年でのJ1昇格を成し遂げる。13日、札幌市内のホテルで就任会見を行った。現役時代、札幌の前身・東芝で13年プレーしただけに「札幌で監督をやるのが夢だった」と“相思相愛”の関係だったと明かした。21日のグアムキャンプからは「100%戦うチーム」をモットーに、J2の51試合を戦い抜く体づくりを最優先とする方針を打ち出した。

 石崎監督の熱い情熱が1年での悲願達成を呼び込む。「最も愛着があるチーム。東芝が札幌に移転したときから、いつも頭にはコンサドーレがあった。もう1度J1の舞台に上げて、2度と落ちないチームにしたい」。現役時代培った「赤黒愛」はチーム名が変わってもまったく揺るがなかった。

 “両思い”でもあった。昨年末の新監督発表前夜、矢萩社長と三上強化部長が、都内の飲食店で石崎監督に最後の意思確認を行った。「人間的にも素晴らしく、札幌を昇格させるのはこの人しかいないと感じた」と矢萩社長。山形時代から交流のあった三上強化部長も「(自身が現役引退して)強化の仕事を始めた99年以来、いつかともに仕事をしたいと思っていた」と、10年越しの「愛」を成就させた。

 グアムキャンプでは「愛」のムチをさく裂させる。「練習で100%戦うチームをつくる。トレーニングで100%出せない選手は試合でも出ない。練習中から戦ってもらう」。徹底した体づくりと、走力をベースにした地獄のキャンプを勝ち抜いたものだけがレギュラーを勝ち取る。J2の長丁場51試合を戦い抜くためにはファイター以外はいらないという新指揮官からの忠告だ。

 「可能性のある若い選手が多いと聞いている。(柏の)李(忠成)も最初はひどい選手だった。札幌にどんないい選手が眠っているか楽しみ」と石崎監督は目を輝かせる。厳しさの裏には選手への熱い「愛」も秘めている。熱血「石さん」のラブアタックで4度目のJ1昇格を手繰り寄せる。【永野高輔】