札幌が生んだ超英才教育Jリーガーがクラブ最速デビューを狙う。コンサドーレ札幌は16日、新加入7選手の発表会見を行った。札幌ユースから、高2で初めてトップ昇格したMF古田寛幸(17)は、早くも「勝利に貢献したい」と1年でのトップデビューを宣言。18歳6カ月でリーグ戦デビューしたMF藤田を超えるクラブ記録更新を視野に入れた。古田は4月から通信制の高校に編入。札幌では初めて高校生でトップチームに帯同する。

 札幌が手塩にかけて育て上げたダイヤの原石、MF古田が、ついにJのピッチを視野に入れた。「少しでも試合に出たい。ここはまだ最初の一歩。これからどう突っ走れるかが大事」。初めて浴びる報道陣のフラッシュ攻勢に動じることなく、自らの意思でJデビューを宣言した。

 クラブでは古田がU-15に入った中1の時点から、非凡な才能に着目してきた。高速ドリブルからフィニッシュへ至る貪欲(どんよく)な姿勢に加え、左利きという利点。札幌では04年から始まった強化の5カ年計画と並行して古田にも“純粋培養”を施してきた。今季は計画の最終年。節目の年に、ついに秘密兵器が表舞台に飛び出す格好となった。

 三上強化部長も「ジュニアユース(U-15)から計画的に育ててきた。得点にかかわるすべての才能を兼ね備えている」と絶大な評価を与える。1歳でボールを蹴り始めた天才レフティー。U-15から毎年、代表に選ばれている日本サッカー界の次代をも担う逸材だ。

 U-17代表として出場した昨夏の新潟国際ユースでは、既にJデビューを果たしている湘南ユースMF菊池の存在に刺激を受けた。「高1のときからプロは意識していた。同年代の選手がデビューしているのを知って、1日でも早くトップ昇格したかった」。誰にも負けたくない。闘志が全身から満ちあふれている。

 クラブの歴史更新も視野に入れる。「(藤田)征也さんは意識する先輩。早く追いついて、追い越す気持ちで」と最年少デビューはもう通過点としてしかとらえていない。グアムキャンプは高校の単位取得のため不参加。第2次熊本キャンプからのトップチーム帯同となる。開幕を目前にした2月下旬のレギュラー争奪戦線に、17歳の天才ドリブラーが殴りこみをかける。【永野高輔】

 ◆古田寛幸(ふるた・ひろゆき)1991年(平成3年)5月23日、札幌市生まれ。札幌東川下サッカースポーツ少年団から札幌U-15を経て07年に札幌ユースU-18入り。U-15からU-17まで、3年連続で世代別日本代表に選出されている。尊敬する選手はバルセロナFWメッシ。家族は両親と兄。