<練習試合:C大阪11-1日本文理大>◇18日◇宮崎

 J2C大阪の日本代表MF香川真司(19)が、背番号「8」のお披露目をド派手に飾った。C大阪は宮崎合宿最終日のこの日、日本文理大と今季初の練習試合(30分×4本)。香川は2得点1アシストなどで、2本目までの全5得点に絡む活躍を見せた。昨季限りで引退したクラブアンバサダーの森島寛晃氏(36)がつけていた8番を受け継いだ「新ミスターセレッソ」が爆発し、試合は11-1でC大阪が勝った。

 新しいセレッソの顔としての自覚が、体を突き動かした。背番号8をつけての初実戦。香川が格下相手に容赦なく攻め立てた。1本目の18分、相手GKの足元からボールをかっさらうと、そのまま無人のゴールに蹴り込んだ。2本目の9分にはMF乾と華麗なパスワークから右足でねじ込む。乾の先制弾をアシストしたほか、2ゴールの起点にもなった。2本目までの全5点に絡む独壇場だった。

 1年前とは責任の重さが違う。当時はまだ日本代表入りしておらず、先輩たちについていく立場だった。代表の常連として迎える今季は、開幕前から攻撃リーダーとしての意識が高い。「自分がしっかり仕事をすることで、チームもJ1に上がれる」。この日も相手からのボール奪取を狙い、FWカイオに「行け、行けよ!」と遠慮なくプレスを要求した。11-1の大勝にも浮かれず、「チームとしては課題が残った」と苦言を呈した。

 クラブの看板だった森島氏がつけていた背番号8に、当初は「自分には荷が重い」とプレッシャーを感じていた。だが、もう腹をくくっている。3月8日の開幕鳥栖戦を見据え、22日は本拠長居でG大阪とのプレシーズンマッチ。「ガンバはガチンコでやってくると思うし、今日と同じようにはいかない」。華々しく発進したニューミスターセレッソが、J1復帰へのけん引役になる。【北村泰彦】