<練習試合:仙台3-1広島>◇22日◇宮崎・シーガイアイベントスクエア

 J2仙台MF曽我部慶太(20)が「第3の男」に名乗り出た。攻撃的MF梁と関口の起用を見送った一戦で、中盤の柱として活躍。1-1の後半25分には決勝点も決め、チームを3-1の快勝に導いた。J1神戸時代は出場機会に恵まれなかったが仙台で成長。J1復帰を目指す戦力になりつつある。チームも、18日のG大阪戦に続きJ1勢を連覇。3・8開幕戦へ勢いを増した。

 「2枚看板」の代役は、この男だ。期待のMF曽我部が躍動した。後半20分、左サイドで広島DF2人に囲まれても、低い姿勢のドリブルで構わず突破。3人目もかわしてFW平瀬へラストパスを送った。得点には結びつかなかったが「相変わらず、いいボールをくれる」と平瀬も拍手。後半25分には、相手GKのミスキックを拾い、ゴール左隅にミドルシュートをたたき込んだ。

 メンバー選考の最終段階に設けられた一戦。重要な狙いが、攻撃的MF梁と関口の代役探しだった。2人を休ませ、曽我部や西山ら数人をテスト。曽我部は候補選手としてオフに補強されたが、出場した19日のJ2熊本戦は「納得のいかない出来」と猛省。その後、梁から「中央でボールを受けた方がいい」とアドバイスされ、手倉森浩ヘッドコーチからは、位置取りや動きの確認を特別指導され、この日に臨んでいた。

 日に日に存在感を増す曽我部だが、J1神戸時代は2年間で出場なし。それでも当時のチームメートだった日本代表FW大久保(現ボルフスブルク)から「腐るな。オレにも同じ時代はあった。お前は持ってるモノが大きいから、絶対に活躍できる」と励まされ、今も支えにしている。

 頼もしい曽我部の動きに手倉森監督も「今日の動きに磨きをかけてくれれば」と期待。チーム内の活性化にも「中盤もFWもサイドバックも、J1級の争い。メンバー選考が悩ましいよね」と、うれしい悲鳴を上げた。曽我部も「梁さん、関口さんの次は自分のつもりで頑張ってます。サブだけじゃなく、2人を追い越したい」と言った。J1でプレーする夢は仙台でかなえるつもりだ。【木下淳】