大分イレブンが、シャムスカ監督(43)にJ1通算50勝目の「良薬」を贈る。21日のホーム新潟戦でJ1外国人監督12人目の記録に挑む指揮官だが、風邪によるのど痛のため、20日の前日練習を欠席した。ベンチ入りには影響ない見込みだが、開幕3戦連発がかかるFWウェズレイ(36)は「勝利をプレゼントしたい」と誓った。

 05年9月の就任後、積み上げてきたJ1リーグ戦白星は、オシム前日本代表監督と並ぶ49勝。二人三脚で歩んできた実弟マルセロ・ヘッドコーチ(42)は「50勝できなかった監督も多くいる。今まで、スタッフ、チーム全員で作り上げてきたものの1つの証しになる。非常に大事な試合。新潟に勝って、50勝目を輝かせたい」と声が出ない実兄に代わって記念星への意気込みを口にした。

 取材、ファンサービスへの対応も取りやめたシャムスカ監督はのどにマフラーを巻き、無言で練習場から引き揚げた。まさに、記念の1勝が何よりの薬になる。この日31歳となった副主将のMF鈴木が「100勝はしてもらいたい」と信頼する指揮官の節目の一戦。ホーム九石ドームで、シャムスカ大分が新たな歴史を刻む。【村田義治】