エース不在の危機は、未来のエース候補が救う。コンサドーレ札幌は29日、アウェーで岡山と対戦する。前節25日湘南戦で前頭部を9針縫うけがをしたFWキリノはメンバーから外れ、宮沢裕樹(19)が1トップを務める。新人だった昨季は、出場4戦目の名古屋戦でプロ初得点を挙げたが、今季は4試合に出場も無得点に終わっている。連敗阻止へ、積極果敢にゴールを狙うことを宣言した。

 責任の重さは感じている。宮沢が勝利のため、ゴールを奪うことを誓った。「ゴールを狙って、勝ちたいです」。開幕から1勝3敗。加えて2連敗中と勢いの出ていない状況からの打破へ、自らに言い聞かせるように、そうはっきりと口にした。

 25日湘南戦で前頭部を負傷したキリノは、遠征メンバーから外れた。28日の紅白戦では、宮沢がレギュラー組の1トップに起用された。「1トップだから起点になることが大事。ただ起点になりながらもゴールも大事だから」。高さとキープ力を生かしたポスト役は、石崎信弘監督(51)も「裕樹が前に入るとためができる」と評価している。ただそれだけでは物足りない。ストライカーらしく、強欲にゴールをこじ開けにいく。

 今季JFLからJ2に昇格してきた岡山は、ここまで4戦し、うち3試合が無失点の引き分け。石崎監督は前節鳥栖戦のビデオを見た印象を「前半はしっかりゴール前を固めていた」と話す。“格上”ともいえる札幌との対戦だけに、29日の戦いでもしっかり守ってくることが予想される。「アグレッシブにいきたい。点を入れたい」という指揮官の思いに応えるのは、最前線にいる宮沢にほかならない。

 新人だった昨季、初ゴールを挙げたのは4戦目の名古屋戦だった。今季はすでに4試合に出ているが、得点はない。5試合目となる29日、これ以上足踏みはしていられない。「勝ちに貢献できるよう一生懸命やります」。2年目ながら背番号11を任されたのは、クラブの期待の証し。しっかり結果を出し、エース不在の穴は埋める。【砂田秀人】