鬼門は今度こそ打ち破る。コンサドーレ札幌は5日、アウェーで熊本と対戦する。石崎信弘監督(51)は川崎F時代に2度、柏時代に1度の計3度、監督として熊本で試合をしているが、3敗と勝利がない。4度目での初白星を狙う今回、3月31日、1日と続いたミーティングでは、選手としての心構えや取り組み方という基本から説き、気持ちを高ぶらせてきた。“石崎塾”の成果を出し、4戦ぶり勝利をつかみにいく。

 忌まわしい思い出は今回で消し去る。石崎監督が選手の意識改革から、熊本での初勝利を狙う。1日の札幌・宮の沢での練習、ミニゲームの最中、何度も選手を集め、指示を与えた。練習の意義や目的までも示しながら、選手を鼓舞し続けた。

 3月31日、1日と行ったミーティングでは、前節岡山戦の反省や熊本戦の対策に加え、プロとしての心構えまで説いた。「心がなければ技術は生かせないし、心だけでもだめ。今のレベルで満足するのか、J1、代表と目指してやっていくのか」。現状にとどまらず、成長していく気持ちが、個々のレベルアップにつながることを訴えた。

 J1昇格を目指しながら、ここまで5戦して勝ち点4。成績だけでなく、選手の受け取り方についても向上を促す。「ミーティングは何のためにやるのか。前の試合を反省してチェックしないと意味がない。そのために(週の)最初の練習のときにやるんだから」。自らが話したことを、ピッチで出し切れていない状況を憂いた。

 指揮官の熱い言葉に、選手は変革の必要性を感じ取っている。MF藤田は「ミーティングでやったことを意識してやらないと意味がない。クロスの精度をもっと上げて、ゴールをつくれるようにしないと」と4試合ぶりの白星へ向け、気持ちを強くした。

 熊本は今季の2次キャンプも行った札幌にはなじみ深い場所だが、過去、石崎監督は同地で3度戦うも、勝ったことがない。勝ち点3のほしい今回、熱意がチームに伝われば、鬼門は打ち破れる。【砂田秀人】