<J1:川崎F3-1名古屋>◇第4節◇4日◇等々力

 川崎FのMF谷口博之(23)が根性の決勝ヘディングゴールと、根性の股間(こかん)セーブで、チームを今季リーグ戦初勝利に導いた。3月18日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)浦項戦で鼻骨を亀裂骨折。まだ完治していなかったが、視界をよくするためフェースガードを外して練習してきた。「まだ怖い」と話していたが、試合になると恐怖心が消えた。1-1で迎えた前半29分、DF寺田のヘッドでの折り返しを、頭で押し込んだ。

 同36分には名古屋FWダビの決定的なシュートを、股間(こかん)で止めた。あまりの衝撃の強さにもん絶したが、すぐに立ち上がり体を張り続けた。「ヘッドは強く当ててないし響かなかった。(セーブは)マジで痛いけど大丈夫」と、試合後は苦笑いした。視察に訪れた日本代表の岡田監督の前で、昨年11月の天皇杯・山形戦に続く「御前弾」を決め、代表復帰もアピールしたが「ウチらしいサッカーもできて楽しかったけど、自分のミスもあった」とまだ満足はしていなかった。【村上幸将】