右ひざの負傷で長期離脱していたJ1磐田のMF上田康太(22)が、次節清水戦(19日)で復帰する可能性が14日、浮上した。この日の練習に部分合流。11対11のミニゲームにサブ組のボランチとして出場すると、約7カ月のブランクを感じさせない動きを披露した。柳下監督は16日の静岡産大との練習試合に出場させる意向で、状態によっては清水戦でのベンチ入りの可能性を示唆した。

 磐田に心強いレフティーが帰ってくる。北京五輪代表候補にも挙がったMF上田が、この日の午後練習に参加。11対11のミニゲームでサブ組のボランチとして、左足から精度の高いキックを見せた。本格的な合流は、昨年9月21日に右ひざ半月板と前十字靱帯(じんたい)を損傷して以来。「筋力の衰えはないけど、キレはまだまだこれから。でも久しぶりにやれて楽しかった」と、満足げに話した。

 負傷後、10月22日に手術するとリハビリ生活が始まった。都内でのリハビリでは、ラグビーのトップリーグの選手と一緒になり「モチベーションが上がりづらいとき刺激になった」と、他競技の選手を励みにした。2月にランニングを始め、今月8日にサテライト練習に合流。順調な回復に「どういう形で自分が復帰したいのか整理しながらやってきた」。ずっとこの日を待ちわびていた。

 柳下監督は「ボランチでボールを扱えるから、落ち着きをチームに与えられる」と評価。16日、静岡産大との練習試合に30分間出場させる意向で「場合によっては清水戦も(ベンチ入りが)あるかもしれない」と、メンバー入りをほのめかした。

 昨季は前半戦のみで11アシスト記録も、離脱後チームは残留争いを強いられ、今季は未勝利で最下位に低迷している。「外から見て感じたこと。中盤でつないでサイドチェンジとか、チェンジする前にFWにあてるとか。得点につながる場面をつくれれば」と、イメージはある。「いつものプレーができるかどうか」と気を引き締め、約7カ月ぶりの対外試合に臨む。【栗田成芳】