J1磐田のDF那須大亮(27)が「アウェー男」の本領発揮で、チームに13戦、実に287日ぶりのアウェー勝利をもたらす。23日、大久保グラウンドで練習を行った。前節清水戦(19日)で今季初勝利を挙げ、次節京都戦(25日、西京極)は今季初の連勝がかかる敵地での大事な一戦。しかし、チームは昨年7月からアウェーでは、なんと12試合連続で白星がない。J通算7得点中6発が敵地でのゴールという那須は、待望の移籍後初ゴールでチームを上昇気流に乗せる気だ。

 那須の表情は、自信に満ちあふれていた。15日間で5試合のハードな黄金週間の初戦京都戦に向け「前回勝って雰囲気はいい。連戦は疲れるけど、結構好き。試合間隔は短いけど、チームがうまくかみ合えば楽しめる。サッカー選手は“試合をやってなんぼ”だと思うし」。3日に1試合のペースで行われる疲労の不安も、清水戦での初勝利の充実感が吹き飛ばした。

 典型的な「外弁慶」だ。Jリーグ通算7得点中6発を敵地で決めている「アウェー男」は、アウェー弾の効果を「(決められた)ホーム側のDFにとって、痛い失点になる。逆にアウェーで勝てば、移動の疲労もなくせる」と説明した。ホームで勝ちにくる相手に攻め込まれがちになるが、那須は少ないチャンスでもセットプレーから得点を狙っていく。

 柳下監督は、京都の攻撃のキーマンにMFディエゴを挙げ、この日の練習はカウンター対策に講じた。昨季、東京Vで同僚だった那須は「序盤に乗らせるとやっかい。つぶして、イライラさせられればいい。一瞬も気を抜けない」と警戒。まずは本職の守りで、気を引き締めた。磐田は昨年7月から12戦もアウェー戦での勝利がない。今回勝てば、なんと287日ぶりの勝利となる。「守備でも攻撃でも、今は手応えがある」。「アウェー男」が敵地での大一番に、照準を合わせた。【栗田成芳】