札幌の歴史に新たな名前が刻まれる。コンサドーレ札幌のMF砂川誠(31)は26日のアウェー横浜FC戦に出場すると、札幌での通算232試合出場を果たし、現在トップで並ぶDF曽田を抜き、札幌所属の最多出場選手となる。今季は開幕から9試合すべて途中出場と、流れを変える役割を務め、横浜FC戦でも同様の働きが期待される。自らの記録を樹立しての勝利で、チームに3連勝をもたらしにいく。

 砂川が札幌の“頂点”に立つ。23日、札幌・宮の沢での紅白戦の1本目を終えると、スタッフからストップがかかり、途中で練習を切り上げた。右内転筋痛を考慮されてのものだったが、「大したことはない。明日(24日)から普通にやります」と問題なしを強調した。札幌での通算232試合目を万全の状態で迎えるべく、調整に狂いはない。

 03年に柏から移籍してからは主力選手として、毎シーズン30試合以上に出場してきた。前節19日のC大阪戦で札幌での231試合出場を果たし、DF曽田に並んだ。単独トップに立つ一戦を前に「キャリアを積めたことをチームに感謝したい。何歳までプロができるか分からないけど、求められるところがあるまでプロを続けていくと思う。札幌で1試合1試合、生き残るためにやっていきたい」と思いを口にした。

 今季は開幕から9試合すべて途中出場。スタメンを張る力があることを認める石崎監督だが「一番計算できる選手」と状況を変えられる切り札として、スーパーサブ的に起用している。「流れを変えるのではなく、流れに乗るのが大事。(出場前に)あまりアップしすぎてもだめ。ベンチで相手をよく見るようになった」。07年も42試合中30試合に途中出場し、J2優勝につなげた。重ねた経験と心構えは、昇格への強力な武器になる。

 移籍1年目の03年、開幕の横浜FC戦でホームの大声援の中、ゴールを決めた。1-3で敗れたが「一番印象に残っている。自分の中では大きかった」と熱いサポーターとともに歩んでいく決意を固めた。くしくも次節の相手は同じ横浜FC。札幌に新たな歴史を刻むと同時に、3連勝を狙って戦う。【長島一浩】