<J1:大分0-1東京>◇第7節◇25日◇九石ド

 東京が“サヨナラ”PKで3戦ぶりの勝利を飾った。3分間の後半ロスタイム。スコアレスドローの雰囲気が漂った47分すぎ、FWカボレのヘッドパスに反応したFW赤嶺がペナルティーエリア内で敵MF高橋に倒された。PKキッカーを自ら志願してボールをセットしたMF梶山陽平(23)がゴール左隅に決め、同時に試合終了のホイッスルが響く劇的な勝利となった。

 延長Vゴールを除く、後半ロスタイム(記録上は44分)の決勝PK弾は、Jリーグで17本目となるが、PKを決めたと同時に試合終了のケースは非常に珍しい。過度のプレッシャーがかかったはずだが、梶山は残り時間がほとんどなかったことを全く知らず「蹴った後に笛が鳴ってほっとした」と、胸をなでおろした。

 3戦ぶりの勝利となる東京だが、素直に喜べない状況だ。前半32分に敵MFエジミウソンが退場し、数的有利となった。クラブ史上1試合最多だった22本を上回る28本のシュートを放ちながら、ゴールはPKの1得点のみ。これでナビスコ杯を含め、今季は9戦連続で1得点が続く。殊勲のPKを獲得した赤嶺も「何とも言えないですね」と複雑な表情だ。城福監督は「FW陣がDF陣に借りをつくった試合。次に借りを返してくれ」と奮起を促していた。【藤中栄二】