<J1:川崎F1-0山形>◇第15節◇28日◇NDスタ

 痛恨のカウンター1発に沈み、山形が川崎Fに0-1で完封負けした。後半は押し気味ながら、公式戦8試合ぶりに先発ツートップを組んだFW長谷川悠(21)とFW古橋達弥(28)が、再三の決定機を阻まれた。リーグ戦は7試合連続未勝利で、5月に続き6月も白星なし。J2降格圏内手前の15位から浮上できないモンテディオに、重苦しい我慢の夏が続く。

 決定機をものにできなかったツートップが、うなだれた。0-0の後半37分、左に流れた長谷川が、絶妙なループシュートを狙う。待望の先制点…と思われた瞬間、相手GK川島に指先ではじかれた。力なくへたり込む長谷川。その1分後には古橋が、MF広瀬のマイナスの右クロスを狙うがGK正面。ともに「決める時に決めないと、ああなる…」とガックリ。ワンチャンスを、いとも簡単に決めた北朝鮮代表FW鄭との力の差を、痛感した。

 20日の清水戦で4失点した守備の修正を、調整期間中に徹底した。「0-0の時間を長くすると相手が焦って前がかりになる。そこを狙う」(小林監督)のがプラン。その通りの展開に持ち込んだが、違ったのは完封されたこと。「残念ながら、決定的なストライカーがいない」と唇をかむばかりだ。

 4月29日の大宮戦を最後に丸2カ月、リーグ戦7試合未勝利で15位に沈んでいる。自動降格圏(16位以下)1歩手前の状況に、長谷川は「意識している。何とか勝てば上に行くチャンスはある。とにかく全力でやるしかない」と必死だ。

 「頑張っても勝ち点1も取れず残念。相手を押すだけでは勝てない。フィニッシュだけでなく、1つ1つの精度を高める」と小林監督。現状を打破するための補強も、台所事情から望めない。「1つ勝てば(ムードが)変わる」とイレブンが口にするトンネル脱出は果たして、いつになるのか-。底上げだけを期待する間に、シーズンはどんどん消化する。【山崎安昭】