<J1:川崎F1-0G大阪>◇第10節◇1日◇等々力

 川崎Fが1週間前に逆転勝ちした「必勝布陣」で、G大阪を返り討ちにした。6月24日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦で2得点を奪った後半と同じ、MF中村憲剛(28)と養父雄仁(25)を2列目に置くダブル司令塔布陣がこの日も機能。攻守で中盤を制すると、前半32分にMF中村の約40メートルのロングパスを受けた、FWレナチーニョのラストパスを、養父が右足で決めた。

 1週間前のG大阪とのACL戦では、後半から養父が入り中村と2列目を組むと、守りは後ろの7人に任せ、ブラジル人2トップと4人で鋭いカウンターを仕掛け続け打ち勝った。中村は「カウンターは狙ってるし、そのための布陣。そのイメージでACL戦の後半からやれている」。カウンターは川崎Fの代名詞だが、G大阪にもまれ、鋭さが増した。

 07年11月11日の浦和戦以来、1年8カ月ぶりの養父の貴重な1発を、この日J1通算100試合出場の守護神・川島が神懸かり的なセーブで守り抜いた。後半7分に養父がPKを与えると、同8分に「PKの名手」MF遠藤のキックを右に跳んではじいた。

 日本代表でも一緒に練習している遠藤のPKは熟知していた。「本当にヤットさん(遠藤)はPKがうまい。考えすぎないように、体だけ動かしたのがうまくいった」。

 3連続完封勝利で連勝を05年10月以来、3年8カ月ぶりに6に伸ばし、今季初の2位に浮上した。次節5日はいよいよ首位鹿島との直接対決。中村は「これ以上、鹿島を走らせたらJリーグがおもしろくなくなるよ」と力を込めた。8連勝中の2連覇王者を、川崎Fが止める。【村上幸将】