浦和高原2発でV戦線踏みとどまる/J1
<J1:浦和3-2山形>◇第16節◇4日◇NDスタ
浦和が、FW高原直泰(30)の2ゴールで優勝戦線に踏みとどまった。先制点を許し、同点に追いついて迎えた後半2分。相手DFを引きずりながら個人突破を仕掛け、前節神戸戦に続く2試合連続得点をマーク。さらに、再び同点とされた直後の後半37分には、DF闘莉王のミドルシュートに頭を突き出して方向を変えて決勝の2得点目を奪い、3-2逆転勝利をもぎ取った。試合のなかった首位鹿島との勝ち点差を7に縮め、追撃への望みをつないだ。
このまま、終わらせるわけにはいかない。高原は神経を研ぎ澄ませ、ストライカーとしての直感を信じた。同点に追いつかれた3分後の後半37分。「ボールが来る。来たら頭を出す」と決めて、ペナルティーエリア内へ駆け込んだ。闘莉王のライナー性のミドルシュートが、わずかにゴール枠内から反れはじめた瞬間、頭を突き出してヘディングシュート。思わずひざまずく衝撃とともに、歓喜の決勝点がネットを揺らした。
首位鹿島を勝ち点10差の4位から追わねばならない浦和にとって、取りこぼしが許されない重圧があった。さらに、左太もも痛で戦線離脱中の坪井が間に合わず、警告累積で山田暢も出場停止。守備陣の連係不足につけ込まれて序盤からピンチの連続だった。リスクを恐れ、チーム全体が「勝負」を忘れつつある中、高原は「戦っていない。こういうときに行かないと(相手に)引きずり込まれる」と自ら体を突き動かした。
後半開始早々の2分。ゴール右手前でパスを受けると、勝負。DF2人の間をドリブルで抜け出し、さらに体を寄せる相手を引きずりながら、右足を振り抜いた。前節神戸戦に続く、2試合連続の一時勝ち越し弾。パスを回しても、敵陣へ仕掛ける意識が薄れていたチームを乗せた。
苦しい台所事情を裏付けるように、この日がリーグ戦初先発だった高橋、永田、原口の10代3選手が同時に先発出場。スタメン11人の平均年齢24・27歳は、リーグ初優勝を飾った06年シーズン以降、最年少だった。実績ならベストメンバーといえる、3月21日磐田戦の先発平均28歳から、一気に3歳以上の若返り。海外リーグを経験し、日本代表復帰を期待される高原でも危機感は常にある。「(結果を出すための)手応えは最初からある。あとは、監督に使ってもらえるかどうか。そのための準備はしている」。30歳になり、選手として円熟味を増す時期だからこそ、意地があった。
試合がなかった鹿島との勝ち点差は、依然として「7」の開きがある。高原は「シーズンも半分終わったばかり。まだ、その(タイトル)話をするのは早い」。頼れる男が、結果で王座奪回への不屈の闘志を表した。【山下健二郎】
[2009年7月5日8時29分 紙面から]
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