<J1:山形2-3浦和>◇第16節◇4日◇NDスタ

 最多観客動員を記録しても、勝ち点は遠かった。山形は浦和に2-3で敗れ、リーグ戦8試合連続未勝利。前半24分、FW古橋達弥(28)が先制点を挙げたが、同ロスタイムにPKで追いつかれた。PKを与えた場面に納得できない小林伸二監督(48)は、ハーフタイムで審判に詰め寄り抗議。リズムが狂ったのか、後半に2点を奪われ3連敗。初めて自動降格圏の16位に後退した。

 温厚な小林監督が、激高した。1-0の前半ロスタイム。相手FKからのクロスを、ペナルティーエリア内で競り合う。MF渡辺がきれいに頭でクリア…と思った瞬間に笛。不可解なファウルの判定で、PKを宣告された。イレブンはもちろん、指揮官も納得いかない。PKを決められ同点で前半終了。ピッチから戻る主審に声を荒らげていた。

 「ああいうことがあったので絶対に勝ちたかったのですが…。ハーフタイムで冷静に送り出さなければ、と思ったが…」と指揮官。選手も2-2に追いつくまでは意地を見せたが、修羅場の経験値が違う浦和に、焦るそぶりはない。終わってみれば、勝ち点1も消えた。

 MF宮沢の左クロスを古橋が決めたゴールに、NDスタ史上最多観客数で埋まったスタンドの半分が沸いた。だが後半の接触プレーで古橋は左足首を負傷し交代。これで指揮官の頭に再び血が上った。「うちのストライカーが受けたタックルはイエローどまり。あれはなぜPKか分からない。こういう判断も1年目の弱いチームだからかも知れないけど、厳しすぎるのでは」と怒気を強めた。中井川GMは、Jリーグに質問状を出す予定だ。

 経済効果に加え勝ち点の積み上げも狙ったが、結果は逆転負け。8戦ぶりの先制点&複数得点も実らなかった。そして初めて自動降格圏内に転落。審判の判断に左右されないようなプレーで、まず1つ勝つしかない。【山崎安昭】