<J1:山形3-1磐田>◇第18節◇19日◇NDスタ

 お待たせしました、モンテの反攻開始です!

 105日ぶりのホーム白星&3カ月ぶりの連勝で、山形が11位に浮上した。前半27分に、勝負を決定付けるFW長谷川悠(22)のゴールなどで、磐田を3-1で返り討ちにした。開幕戦に続く名門連破に成功し、エースも復調をアピールする81日ぶりのゴール。リーグ後半戦の“開幕戦”も最高のスタートを切った。

 迷いなく振り切った。その長谷川の左足から、待望のゴールが生まれた。2-1の前半27分。中央のMF宮沢から右45度、ペナルティーエリアやや外にいた長谷川にボールが渡る。小刻みなドリブルとフェイントで内側に切れ込み、シュートコースを開ける。その瞬間、蹴り出したボールは、磐田GK川口をあざ笑うかのように、ファーサイドに吸い込まれる。今季6点目に、歓声が夜空に響いた。

 「ホントに長い間、点を取れなくて、チームに迷惑をかけた。ホッとした気持ちが大きいです」と顔を紅潮させる長谷川。3月7日の磐田との開幕戦で、2得点したイメージを頭に浮かべてピッチに立った。ここまでリーグ戦は、出場7試合連続で不発。「気負いすぎてもしょうがないかなと思えるようになった」と、開き直りに似た心の安定が好結果につながった。

 興奮のあまり猛ダッシュしてきた、187センチの長谷川に跳びつかれた小林監督は「義歯の前歯が折れるかと思った。うちのストライカーが点を取ったのは、組織としてもいいこと」と笑う。取るべき人が取り、連勝しての11位浮上に「選手にとっては、少しでも(降格圏を意識する)プレッシャーから逃れられ、良くなっていく」と喜んだ。

 5月2日の柏戦で痛めた右足首は、まだ痛み止めを飲むほど本調子ではない。痛みを感じない走り方を模索しながらプレーを続けている。「これからも勝ちにつながる点を取っていきたい」と意気込む長谷川。自分はもちろん、チームを再加速させる価値あるゴールでもあった。【山崎安昭】