リーグ戦6連敗中の浦和が、流通経大4年のMF宇賀神友弥(21)を大学に在籍しながらJ公式戦に出場できる「特別指定選手」でトップチーム登録することが23日、分かった。17日から練習生として招聘(しょうへい)していたが、フィンケ監督らクラブ首脳陣は将来性とともに即戦力としても高く評価。特別指定選手として受け入れることで大学側と合意した。近日中に日本協会へ申請し、正式決定する。早ければ、次節29日の神戸戦(ホムスタ)でJデビューする。

 連敗に苦しむ浦和が、事実上の「緊急補強」に動いた。フィンケ監督の下、長期的な視点でパスサッカーの熟成と選手の世代交代を図るため、信藤チームダイレクターを中心に大学や高校に在籍する選手のスカウティングを継続的に実施。「フィジカルが強くてスピードもある。将来性はもちろん、すぐにトップで通用する選手」(関係者)という宇賀神に目をつけた。

 当初は練習生として週1回、練習参加の予定だったが、17日にさいたま市内で行った非公開練習で宇賀神のプレーを見たフィンケ監督が「即戦力」として高く評価。試合経験を積ませながら育成する「特別指定選手」としての受け入れを決めた。21日に大学側と合意し、背番号は「35」に内定した。28日のJ登録期限に間に合わせるため、近日中にメディカルチェックを受け、日本協会へ申請書を提出。29日の神戸戦で出場可能となる見込みだ。

 宇賀神は浦和ユース出身で、左右のサイドハーフやサイドバックをこなす。代表歴はないが、MF三都主の名古屋移籍で左サイドが手薄となった浦和をはじめ、複数のJクラブが来季の獲得候補に挙げている。長友(東京)岩政(鹿島)ら特別指定を経て、Jリーグや日本代表で活躍する選手は多く、流通経大側もJ公式戦出場による才能開花に期待し、浦和の日程を優先して参加させる構えだ。

 浦和は宇賀神に加え、24日から佐賀東高のU-18(18歳以下)日本代表FW赤崎秀平を練習に参加させる予定。来季を見据えた強化戦略に本格着手する。