東京FW平山相太(24)が、大黒柱の抜けた穴を埋めるべく、ゴール奪取を宣言した。得点ランクトップ15得点のMF石川直宏(28)が左ひざ前十字靭帯(じんたい)不全損傷で今季絶望というピンチの中、石川の優しい励ましに応えるためにも、自らの得点でチームをけん引する覚悟を見せた。25日には4位の清水と対戦、11月3日にはナビスコ杯決勝も控える。FWとして、平山の責任感と真価が問われそうだ。

 置かれた立場は自覚している。平山は「今、誰かがやらないといけない。自分がやるつもりで、ゴールを奪う気持ちで頑張る」と口調を強めた。15得点を挙げていた石川が左ひざ故障で長期離脱。5得点をマークしたFWカボレの中東移籍に続き、ゴールゲッターが抜けた。ベンチ入り可能な選手では平山、赤嶺の4得点がチーム最多という状況。平山は「得点数が少ないし、ナオ(石川)さんの優しさに、自分はピッチで応えたい」と大黒柱の配慮をくみ取った。

 平山は17日の柏戦直後、左ひざ前十字靱帯不全損傷の重傷を負った石川と会話する勇気がなかった。しかし先輩MFから笑顔で「大丈夫、頑張れよ」と声を掛けてもらい、気持ちが楽になったという。「オレらの前でナオさんは明るく振る舞ってくれる。だから自分はいつも通りでいられるし、逆に元気をもらっている。自分はゴールに絡むことで返したい」とFWの仕事に徹する構えだ。

 25日の清水戦に勝てば、勢いに乗って11月3日のナビスコ杯決勝川崎F戦を迎えられる。「今は1戦必勝。目の前の試合だけに集中します」と平山。石川の得点力に頼っていた平山が、ストライカーの責任感を胸にピッチに向かう。【藤中栄二】