コンサドーレ札幌が来季チーム編成の抜本的見直しを余儀なくされる。昨季から2季ユニホームスポンサーについていた「ニトリ」撤退が7日までに決定。強化費の大幅減額が想定される中、クラブでは9日から編成についての協議を開始する。柱としていたDF石川直樹(24)の残留交渉、FWキリノ(24)ら3外国人選手の去就も含め、戦力構想を大きく転換させる可能性も出てきた。

 札幌がニトリ撤退を受け、9日から本格的に強化、営業部門総動員での対応に追われることになった。チーム編成に関し当初、核としていたDF石川とFWキリノ、MFダニルソン、DF趙の3外国人選手の去就にまで踏み込み、戦力構想を練り直す。矢萩竹美社長(59)は「(石川や外国人選手も含め)柱とする部分すべてを考え直す可能性もゼロではない」と話した。

 メンバーも今季始動時と同じ27人を死守する方針だ。同社長は「それ以下だと紅白戦など、練習自体ができなくなる恐れがある」と言う。負傷者などを想定しながら、リーグ1シーズンを戦い抜くには、最低でも27人は必要。ニトリ撤退による強化費不足でその人数をキープできないと判断した場合は最悪、外国人選手ら高額年俸の選手を放出する可能性もゼロではない。

 ただ、クラブとしても、黙って現状を受け入れるわけにはいかない。営業部門でも9日から新規スポンサー獲得へ向け、部員総動員での営業作戦を開始する。現時点では07年まで胸スポンサーを務めた石屋製菓への支援増額の働きかけが有力だが、失われる資金は2億円と高額で、1社に申し入れて簡単に受け入れられるものでもない。同社長が「そこに頼ってばかりでもいけない」と言うように、札幌近郊だけでなく、道内全域の企業に営業網を広げ、支援を呼びかけていく構えだ。

 この影響で11月中旬に予定していた石崎監督への続投オファーは同月下旬にずれ込む。ニトリのスポンサー撤退でJ1昇格に向けた来季の戦力構想が大きく変化する可能性は否めない。【永野高輔】