コンサドーレ札幌のDF曽田雄志(31)が今季限りで現役引退することが17日、クラブから発表された。昨年5月に椎間板(ついかんばん)ヘルニアと左ひざ半月板を連続して手術した後、同9月には両ひざを手術。今年8月23日のサテライトリーグ大宮戦で実戦復帰を果たすも、持病の腰痛などが回復せず、復帰には至らなかった。01年からクラブ史上最長となる9シーズン在籍した生え抜きが、札幌のユニホームを脱ぐ。

 札幌生まれ札幌育ちの功労者が、今季限りでチームを去る。17日、曽田が現役生活に別れを告げることを発表した。「後悔はないが未練はある。ただ試合のためにフルボリュームでコンディションを上げることができなくなってしまった」と独特の言い回しで心境を明かした。

 度重なるケガに泣かされた。昨年5月に椎間板ヘルニアと左ひざ半月板を連続して手術。同年8月の道都大との練習試合で1度は実戦復帰したが、右ひざも負傷。リーグ戦3試合に出場しただけで9月に両ひざも手術と、シーズン後半を棒に振った。

 長いリハビリを経て今年8月、サテライトリーグ大宮戦で実戦復帰した。しかし「良くなると望んだが、見て見ぬふりをしてしまっていたかもしれない」と完全復活には程遠かった。その後は、チーム練習と別メニュー調整を1日おきに繰り返しながら復帰を目指したが、願いはかなわなかった。契約は来季もう1年残っていたが「戦力として計算されないというのは選手として考えられない」と12日に引退を決意。翌13日、石崎監督に意思を伝えた。

 「一番の思い出は07年のJ1昇格」と口にした。同年は不動のセンターバックとして45試合に出場。リーグ最少45失点の堅守の中心として、J2制覇と6年ぶりJ1復帰に貢献した。現日本代表の岡田監督が指揮した01年にFWとして入団しながら、DFとして開花した異色の道産子プレーヤーは、喜びも悲しみも詰まった9年間に幕を下ろす。

 札幌最古参選手のために、クラブは29日のホーム最終横浜FC戦後にクラブ史上初の引退セレモニーを予定している。「なんとしても今季1試合でも試合に絡んで終わりたい」。今後は未定だが、残り3戦での出場目指し、燃え尽きる覚悟だ。【永野高輔】