記録ずくめで来季のJ1昇格を決めたベガルタ仙台が、5日の最終節(ホーム愛媛戦)でも歴史をつくって、J2初優勝を飾る!

 攻撃陣にはクラブ史上初の「2ケタ得点カルテット誕生」がかかり、今季8得点のFW平瀬と中島が複数得点を狙う。守備陣が目指すのは、クラブ記録タイの6試合連続完封。失点率も、クラブ史上最高になることが決定的だ。攻守の記録ラッシュで、初Vに花を添える。

 過去2回、シーズン2ケタ得点トリオが誕生した仙台だが、カルテットは例がない。05年はバロン(14得点)シュウェンク(以下同13)大柴(10)、07年はロペス(14)万代(14)中島(10)が大台に乗ったが、後が続かなかった。今季はマルセロ・ソアレス(16)梁(14)中原(10)で新記録への条件が整い、残り1試合。現実的に達成可能なのが平瀬と中島だ。

 ともに今季8得点で、愛媛戦では複数得点が求められる。昨季は1度ずつ1試合2得点をマークしたが、今季はない。平瀬は「2得点?

 無理っしょ(笑い)。まあ得点より、周りを生かして勝利に貢献できれば」と無欲を強調。一方、新型インフルエンザから復活した中島は「離脱した借りを優勝決定弾で返したい。複数回、ゴールを奪えるように頑張ります」と闘志をみなぎらせた。

 守備陣は、シャットアウトでの有終Vが目標だ。前節11月29日の徳島戦まで5戦連続完封。06年4月にマークした、6試合連続完封のクラブ記録に王手をかけた。DF渡辺は「当時(高卒2年目の)僕は試合に出られなかったけど、今季は出場した上で記録を塗り替えた喜びがある。最終戦もゼロに抑えて恩返ししたい」と話した。

 さらに愛媛戦で8失点しなければ、1試合平均のシーズン最少失点も決まる。GK林は「失点率0点台は最低限の目標だったけど、ここまで来たら今(計38失点)のまま終わりたい」と意欲を見せた。記録ラッシュで初優勝をつかみ取る。【木下淳】