<J1:G大阪2-0千葉>◇最終節◇5日◇万博

 オランダ戦で「コロコロ」を決める!

 G大阪の日本代表MF遠藤保仁(29)が、2得点で09年リーグ戦を締めくくった。既に優勝の可能性が消滅していた最終節千葉戦で2-0の快勝。前半28分に意表を突いた「コロコロFK」を決めると、後半13分にもPKで加点し全得点をたたき出した。これでPKのゴールは、磐田FW中山を抜いて現役選手では最多の21得点目。「岡田ジャパンの心臓」が記録で締めくくり、W杯イヤーに向かう。

 視線の先に南アフリカがあった。空想する相手はオランダ、カメルーン、デンマークの守備陣だ。前半28分にゴール右寄りで得たFK。遠藤はGKの位置と壁の枚数を確認すると、迷わずにグラウンダーの「コロコロ」シュートを放った。GKが弾いたボールは、そのままゴールへと吸い込まれていく。貴重な先制弾を挙げると、後半13分にも現役最多となる通算21点目のPKで追加点。既に逆転優勝が消滅した最終節で、超満員のサポーターへ、持ち味を存分に見せた。

 遠藤

 最大の目標はW杯にあるんで。今は足元をしっかりと見て、1歩づつ自分のレベルを上げていくことだけを考えたい。いいパフォーマンスを出して、W杯でも点に絡んでいく。

 組み合わせ抽選が行われた前夜、遠藤は宿舎ホテルで夢の中にいた。朝、目覚めて食事会場に行くとFW播戸から「ユースの時もカメルーンと戦ったから、一緒やないか」と言われ、ようやく現実に戻ったという。日本が初めてFIFA主催大会で準優勝した99年ワールドユースも1次リーグはカメルーンと同組。周囲の予想を覆して決勝まで進んだ。当時と同じ道筋が、遠藤の脳裏をよぎった。

 遠藤

 (カメルーンの)エトーは世界最高の選手。100%止めるのは難しいので、組織で戦う。オランダには先制して、90分間プレスをかけ続けて相手を慌てさせる展開にしたい。デンマークは堅守速攻ですね。まずはカメルーン戦で勝ち点3を取って、いいスタートを切る。それが大事。

 既に本大会へのイメージは出来ている。同組の3カ国はいずれも身体能力に優れ、身長の高い選手が多い。この日の高速「コロコロFK」こそが、高さのある相手には有効になってくるはず。勝負の2010年へ-。優勝こそ逃したが、遠藤が最高の形で09年を締めくくった。【益子浩一】