モンテディオよ、地方クラブの星になれ-。Jリーグの鬼武健二チェアマン(70)が18日、J1山形に10年以内でのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場を期待した。同チェアマンはこの日、山形県庁を訪れ、吉村美栄子知事(58)にクラブへのさらなる支援を要請。「観客も予算も地道に積み上げれば、ACLも夢ではない」と、熱く語った。

 J2だった昨季の営業費で、全33クラブ中26番目の低さ(別表)でJ1に昇格した山形。そして今季、J1クラブ最少の予算(約10億円)で残留を果たした。鬼武チェアマンは「J入りを目指す地方のクラブも含めて、勇気を与えた」と、まずは称賛。今後について「大きく変わると変なことになるから、少しずつ山形のカラーを築けば『世界の山形』というふうになる」と続けた。債務超過に苦しむ大分に代わり、地方クラブが成功するモデルケースになることを期待した。

 海保理事長も「地道にやるしかない」と、観客アップ策を継続する考えだ。鬼武チェアマンは「昔はG大阪だって弱かった。でも努力すれば強くなるし、魅力も増えて人も多くなる。そうなれば、専用スタジアム建設の機運も高まる」と指摘。Jが目指す「100クラブ」を実現させるためにも、山形の成長がカギを握ることを強調した。【山崎安昭】