【グアム3日=永野高輔】今年の石さんはスタートから強気に攻める。コンサドーレ札幌グアムキャンプ14日目となったこの日、J2全対戦カードが正式発表され、石崎信弘監督(51)が、昇格プランとして開幕5連勝を掲げた。昨季は開幕戦で惜敗した後、同5戦1勝1分け3敗と出遅れた。昨季のベースに新戦力を加えた進化型石崎札幌は、開幕からの流れを生かしながら、J1昇格目指し突っ走る構えだ。

 2年目の石さんが勝負に出る。この日、J2全日程の対戦日程が発表された。注目は開幕からの5試合だ。鳥栖、福岡、栃木、岡山、岐阜、そして第6節で今季J1から降格してきた柏と対戦することが決まった。開幕5戦の相手では鳥栖以外は、昨季1敗も喫していない。それだけに指揮官は「開幕5連勝?

 そりゃあ昇格を目指すには、それが理想に決まっているじゃろ」と強気に言い放った。

 スタートダッシュがどれほど大切かは昨季、痛いほど味わった。開幕仙台戦では終始、押し込みながら得点できず、0―1で敗れた。「仙台戦もそうだが(第4節)湘南戦(0―1)もいい試合じゃった。惜しい試合を勝てなかったのが痛かった」。第2節鳥栖戦で初勝利も、第3節甲府戦で敗れ、同4節湘南戦はシュート数14本と攻め込みながらロスタイムの1発に泣いた。昇格組との直接対決を落とし開幕5戦1勝1分け3敗。出足でつまずいただけに、今季は確実に開幕5戦「勝ち点15」という勝負ラインを設定した。

 石崎イズムが、既存戦力に浸透しているという強みもある。昨季のグアムキャンプは監督の戦い方を選手に伝えることに重点が置かれ、本格的な戦術練習に時間を割けなかった。同キャンプ中に開幕5戦の目標を聞かれても就任初年度とあり「半分勝てればいいか。焦ってはいけない」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

 だが今季は違う。現存戦力には昨季51試合で積み上げてきた基礎知識が染みついているだけに、新戦力がスムーズに上積みされれば、おのずと戦力アップにつながるはずだ。5連勝を設定した開幕5戦後の第6節には08年まで指揮し、自ら「3強」として名前を挙げている柏との大一番が控える。「そこまでは負けられんじゃろ」。藤山、近藤、内村、李そして中山。09年パワーと新戦力の強力タッグで、石崎札幌が出足からぶっちぎる。