新加入の李漢宰(27)が、札幌の“弱点”埋める。熊本キャンプ中のコンサドーレ札幌は18日、8対6の戦術練習に時間を割いた。レギュラー組の右サイドバックに最も長く起用されたのは、今季J1広島から加わった李だった。プロ10年目で初めて務める位置だが「みんなとやっていけば慣れてくる。難しいことじゃない」と定位置取りに向けた。

 広島では右サイドハーフやボランチが主。システムも3バックで、札幌の4バックとは違った。「逆サイドにボールが行ったときにラインをしっかり合わせるなど、コミュニケーションをしっかり取るのが大事になる」。言葉通り、プレーの合間に仲間との確認は怠らない。「チームに貢献できればどの位置でもいい」。その思いで全力で取り組んでいる。

 石崎監督も「サイドバックはいないから」と期待を込め、札幌のスタイルをたたき込んでいる。昨季の右サイドバックは4人が務めたが、西嶋はDFも芳賀、西、藤田はMFが本職。確固たる存在はいなかった。そこにクロスやプレースキックなど、精度の高いボールを放てる攻撃力に、体を張った守備力を持つ李が加入。ここが固定できれば、可能性は大きく広がる。

 複数クラブからオファーを受けながら「石崎さんのハードワークするサッカーが魅力だった。上を目指せる」と初めての移籍先に札幌を選んだ。それが間違いでなかったことは、結果で証明する構えでいる。「若手を引っ張っていける存在になって活性化させたい」。熱い魂を持つ男が、チーム力も精神面も右上がりにしていく。【砂田秀人】