<練習試合:岐阜3-1山形>◇24日◇宮崎・国際海浜エントランスプラザ◇45分×3本

 モンテのエースが、開幕スタメンを決定づけた。J1山形FW長谷川悠(22)が、J2岐阜との練習試合で今季初めて90分間出場。1-3で敗れたが、FKに頭で合わせる「今季1号」で復活をアピールした。18日開始の宮崎キャンプ序盤は右足首痛に悩み、3月6日の開幕戦(対湘南)出場に懐疑的だったが「やれない痛みじゃない」と回復に自信。エースが最終仕上げに入る。

 主力組で臨んだ1、2本目が終わると長谷川は、1時間半ほどかけてトレーナーに、右足首のチェックを受けていた。患部に腫れもでず「付き合っていける痛みになりました」と長谷川。ここまで45分、54分と状態と相談しながら練習試合2戦をこなし、ストレスを抱えていた。だがこの日、90分走り通したエースは「開幕へ、感覚をもう少し上げる」と息巻いた。

 開幕戦出場へ悲壮感を漂わせていたのは、ほんの1週間前のこと。それが、この試合ではFW田代との長身ツートップを組み、相手DFに競り勝ち続けた。そして0-1の1本目41分。田代が獲得したFKチャンスを長谷川がものにする。MF古橋のキックに頭で合わせる「今季初ゴール」。得点だけでなく、痛みを気にせずプレーできた喜びで「何とかできちゃう自分に期待したい」と、今季リーグ戦での「チーム1号」をも視界にとらえた。

 エースの動きに小林監督は「ハセ(長谷川)は動けてて、いい感じだっだ。あとは誰と組ませるかだな」と笑顔を浮かべ、長谷川の開幕先発確定を事実上、認めた。指揮官の期待に応えるべく、エースは「結果を出すための準備を、残りの時間でやりきる」と、開幕戦にピタリと照準を定めた。【山崎安昭】