Jリーグが、今季から「軍事システム」を導入することになった。スタジアムにカメラ16台(8台×2セット)を設置し、撮影映像から選手、ボール、審判など、ピッチ上すべての動きをデータ化できる。スウェーデンのTRACAB(トラキャブ)という企業が提供するシステムで、データ処理には自動車などでも有名なサーブ社の軍事技術を利用している。今年はテスト運用で、来年からの本格導入を目指す。本来はミサイルなどを追跡する技術で、Jリーグのすべてを追いかける。
TRACABデータシステムは、南アフリカW杯でも使用される。すでに欧州などでも採用されており、戦力分析や選手、審判の育成、レベルアップに効果を発揮している。世界的に見れば遅まきながらの導入ではあるが、日本サッカーのレベルアップには大きな影響を及ぼしそうだ。26日に全クラブが都内ホテルに集う「キックオフカンファレンス」で、実際の映像などを公開して詳細が説明される。
16台のカメラで、操作せずとも常にピッチ上のすべての動きをキャッチできる。ボールがない位置での動きなど、通常のテレビ中継では映らない部分も把握できる。プレーゾーンやポジショニングなどが瞬時に分かるため、チーム戦術の分析が容易になる。また、各選手の走行距離や、スピード、トップスピードに達するまでの時間もはじき出される。審判の技術向上、ファウルの正確な認識により規律の向上にも役立ちそうだ。
今年1年はテスト期間として、リーグ戦、ナビスコ杯で随時実施していく。カメラの設置場所を検討する必要があるため、今季中に全スタジアムでテストする予定。これらデータはクラブへも提供する。来年から本格実施されれば、テレビやインターネットで一部データを見ることもできそうだ。
日本代表の岡田武史監督(53)は就任以来、リーグ戦を視察して代表選手のチェックを重ねている。W杯南アフリカ大会に向けて「国内から、勢いをひと押ししてくれる選手が出てきてくれれば」と願っているだけに、新システムが思わぬ戦力を導き出してくれるかも?
【飯島智則】




