清水は28日、プレーシーズンマッチ新潟戦(午後1時30分=アウスタ)を行う。攻撃的MFで先発出場する小野伸二(30)が981日ぶりに「日本平」に立つ。

 小野は27日、懐かしそうに“初ゴール”の記憶をよみがえらせた。「日本平はインターハイの決勝で高校の初得点を決めた場所。サッカー(専用)グラウンドでは日本で1番のグラウンドだと思っている」。清水商時代の95年6月11日、県総体決勝(対浜松西)で1年生ながらゴールを決め、全国総体へ導いた思い出のピッチだ。

 清水加入後、初のアウスタでのプレーを翌日に控え、全体練習の紅白戦とセットプレーの軽めの調整を終えると、MF藤本、DF辻尾らと直接FKの感触にチェック。10本中、3本をゴールネットに流し込んだ。「セット(FK)で点を取るのは一番楽。フリーでシュートが打てるからね。だからこそ、試合では需要になってくる」。得点を奪うための“飛び道具”の準備も怠らなかった。

 新潟戦はプレシーズンマッチでは異例の民放地上波とCS放送で生中継される。地元スターの加入で、注目度も期待度も例年をはるかに上回る。長谷川監督は小野の足首の状態を配慮し「あくまでも本番は開幕。無理はさせない」と限定出場を示唆したが、小野は「勝ちにこだわってやる。引き分けじゃなくて、どうやって点をとるかが大事」と、勝負への強いこだわりを強調した。

 07年の浦和時代の清水戦(6月23日=0●1)以来のアウスタでのプレーだ。もう赤でも青でもない。オレンジのユニホームに袖を通した小野伸二が新たな思い出をつくり続ける。【為田聡史】