<プレシーズンマッチ:大分2-2札幌>◇28日◇九石ドーム

 開幕へ、課題が浮き彫りとなった。後半15分にCKからDF石川直樹(24)が先制点を奪うも、同23、26分と立て続けに失点を喫した。J2を戦い抜くためには致命傷ともいえる、カウンターとセットプレーからの失点で、昇格へ倒さなければならない相手に勝ち切れなかった。開幕まで残り1週間、攻守両面での修正の必要性に迫られた。

 札幌が開幕前最後の実戦で、後味の悪い失点を与えてしまった。今季初めてJクラブ相手に流れから得点を挙げての2-2のドロー。だが石崎監督の表情には、満足感はなかった。「開幕への期待感?

 うーん…としか言えない。まだまだやるべきことがたくさんある」。開幕まで1週間に迫りながら課題がぬぐい去れない現状に、思わずうなり声を上げた。

 4分間で2失点した21日の神戸戦同様、またも連続失点を喫した。後半15分にDF石川のヘッドで先制も、同23、26分と4分間で2失点。1点目は前掛かりになったDFラインの裏をカウンターでつかれ、2点目は右からのFKの対処にてこずり、大分FWチェに押し込まれた。

 「後半に入ってバタバタしてしまった」と石川は言った。1点取られた後に浮足立つことも課題だが、カウンターとセットプレーという、単発の攻撃で崩された点に課題は残る。J2では上位とみられる札幌に対し、多くの相手が確実に守ってのカウンターを仕掛けてくることが予想される。

 今季同カテゴリーで戦う大分に、セオリー通りで喫した失点は、重く見なければならない。昨季J1で戦ったとはいえ、MF金崎やDF森重ら主力が流出。決してJ2で上位候補とは言えない戦力になっている。加えて攻撃のキーマン新加入MFキムも韓国代表に帯同中で不在。その相手に苦戦していては、戦国J2を勝ち抜くことはできない。

 昨季も開幕仙台戦では押し込みながらもセットプレーからの1失点に泣いた。第4節湘南戦も主導権を握りながら、ロスタイムのカウンター1発で敗れている。同じ過ちを繰り返さず開幕ダッシュを飾るためには、残り1週間でやるべきことは多い。「セットでの最終ラインと中盤のバランスのケア。前掛かりになったときの後ろのバランスをしっかり考えさせるようにしないと。相手の速さも考えたポジショニングも必要」と指揮官は言った。うみはすべて吐き出し、3月7日を迎えたい。【永野高輔】