へこむのは1日でいい。J2札幌のFW中山雅史(42)が14日、大敗に終わった13日のホーム開幕福岡戦を振り返り「落ち込んでいる暇はない」と沈滞ムードからの早期脱却を訴えた。プロ17年目を迎えるサッカー界の“ドン”が、反省の大切さと同時に、切り替えを早くすることを強調。チームのメンタル改革をうながした。

 ゴンが沈むチームにカツを入れた。「負けたことはしっかり受け止めなければならない。でも、いつまでも落ち込んでいる暇はない。ここからだ」。0-3の大敗を喫した福岡戦後はロッカールームが火が消えたように静まりかえった。疑心暗鬼に陥りかけている重いムードの中、42歳の大ベテランは、顔を上げ前を向く必要性を説いた。

 この日は、前夜からの積雪で、移籍後初めて雪道を自分で運転して練習場に向かった。路面が滑って、低速ながら信号の停止線で確実に止まれない場面があった。それでも機転を利かせ「やむを得ず左折した」という。“状況に応じ素早く切り替える”ゴン理論は、日常生活だけでなく札幌のメンタル補強にも引用できる考え方だ。

 「試合後は、みんな反省していた。ただ15日のオフを挟んで練習が再開したら、気持ちを新たにやっていくべきこと。まだ2試合。次の試合に全力を尽くすことが大事」。リーグはまだ始まったばかり。札幌がゴンイズム注入で巻き返しを図る。【永野高輔】