<J1:G大阪2-2仙台>◇第4節◇28日◇万博

 G大阪が勝てない…。ホームで引き分け、開幕からリーグ4戦勝ちなしとなった。後半34分にFW平井将生(22)のリーグ初ゴールで1度は勝ち越したが、左ひざの負傷から復帰したDF山口智(31)のハンドで同ロスタイムに献上したPKを決められ、リーグ初勝利を逃した。それでも西野朗監督(54)は「戦い方は変えない」と宣言。次節4月4日磐田戦(ヤマハ)で、今度こそ勝利を目指す。

 白星がするりと逃げた。既に後半ロスタイム。誰もが今季リーグ戦初勝利を信じた瞬間、悲劇は起きた。故障が回復して今季初出場のDF山口が痛恨のハンドでPKを献上。まさかのドローに万博は静寂に包まれた。「なかなか遠い感じがする。非常にアグレッシブにタフに戦うことができた。引いた相手への対応はできていたが、失点は残念だった」。西野監督は悔しさを押し殺して振り返った。

 苦戦が続いている。23日のACL1次リーグ・シンガポールAF戦(アウェー)でFW平井のハットトリックで4-2と公式戦初勝利。その平井が後半40分に決め、西野監督も跳びはねて喜んだ。だが守備に集中力を欠いてリーグ戦3連続ドローに、一部サポーターからブーイングが飛んだ。主将のMF明神は「勝てなかったことは悔しいし、受け止めないといけない。PKを2本も与えてしまった原因を考えないといけない」と神妙な表情になった。

 20日新潟戦で「造反劇」を起こしたFWペドロ・ジュニオールが26日のミーティングで全選手と西野監督に謝罪した。指揮官も「自分にも責任がある」と深く頭を下げたという。さらに練習中も西野監督が選手を“いじって”雰囲気を和ませようとした。いっそうの団結を求め、MF安田理は「チームがファミリーということをあらためて理解した」と言ったが、結果には結びつかなかった。

 勝負強さを発揮できない現状にも西野監督は「カウンターを狙うような試合はしたくない。あくまで(攻撃的な)スタイルは変えない」と言い聞かせた。MF遠藤は「全体として悪いという感じはしなかった」。DF加地も「攻撃がかみ合いだしたのが収穫」と前を向いた。圧倒して勝つG大阪のサッカーを貫いて白星をつかみ取り、特効薬とするしかない。【奈島宏樹】