右あごを骨折し、戦列離脱中の日本代表MF中村憲剛(29=川崎F)が、4月末の試合復帰を視野にいれた。2日、川崎市内の麻生グラウンドで行われたチームの練習に参加。負傷後初めて、大人数によるゲーム形式の練習に合流した。

 体と体の接触はなしの条件付きではあるが、「あご以外は元気ですから」と、持ち前の華麗なパス回しを披露。「怖さもあったが、だんだん目も頭も体も慣れてくる。最初の円陣を組むところから、すべてに合流できたことがうれしかった。涙は出なかったですけど。明日も練習が楽しみ」。久々の感触に笑顔を見せた。

 高畠監督も「動きはよかったよ。ドクターがOKを出したら、すぐにでも練習試合などで対人プレーを試したい。試合復帰は4月末かな」と期待を寄せた。チームは公式戦2戦勝ちなしと波に乗れていない。アジア・チャンピオンズリーグの1次リーグでも1勝3敗と敗退危機に陥っている。

 中村憲は「早く復帰して助けてあげたい気持ちはあるが、中途半端に復帰してもかえって迷惑をかけてしまう」と責任感をにじませた。「今は1日1日を大切に。でも早く。4日の東京戦は絶対勝ってほしい。多摩川クラシコですから」。川崎F、そして岡田ジャパンにとって欠かすことのできない男が、復帰へ1歩前進した。