<J1:磐田4-3G大阪>◇第5節◇4日◇ヤマハ

 ドタバタ劇の末にG大阪が悪夢の敗戦だ。アウェーの磐田戦で敗れ、開幕から5戦勝ちなしとなった。「浪速のアンリ」ことFW平井将生(22)が後半29、31分と2度も同点ゴールを決めるなど、計3度も一時は同点に追いつきながら守備が崩壊。磐田との今季未勝利対決は、得意の打ち合いで敗れるという最悪の結末となった。前節13位からJ2降格圏の17位に転落。平井の公式戦4戦連発も実らなかった。

 若武者の活躍も勝利に結びつかなかった。1点を追う後半29分、FWドドのパスを受けた平井が、右足で突き刺して同点とした。だが、その1分後に守備が乱れ失点。さらにその1分後に再び平井が、MF遠藤のパスから同点弾を決めた。だが、今度はその6分後に決勝ゴールを許した。前節最下位だった磐田に得意のはずの点の取り合いで、屈辱の敗戦を喫し、今季初勝利を献上した。

 平井

 VTRを見て、磐田の弱点は分かっていた。うまくそこをつけた。狙い通りのゴールだった。でも、この結果では喜べない。

 後半開始から練習でも試さなかった3バックを採用したが、機能しなかった。西野監督は「攻撃的に行くというメッセージだったが、守備で踏ん張れなかった」と目はうつろ。DF山口も「敗因は自分の責任」とうなだれ、MF遠藤は「後半から3バックになって戸惑いが出てしまった」と肩を落とした。

 開幕から5戦勝ちなしは、00年(最終的に6戦勝ちなし=2分け4敗)以来、10年ぶりの屈辱だ。第5節でJ2降格圏に沈むのも、最下位の16位だった00年以来となる。「勝つためにはバランス。攻撃的なサッカーを追求しながら局面の守備で踏ん張る。両方を追い求めるしかない」と指揮官は言い聞かせた。

 チームが低迷する中、4戦7発と好調の平井は「今日はヒーローになれなかったけど、今度は(自分が)決めて勝ちたい。みんなが自信を持つことが大切」と前向きに話した。3度も追いついたが勝てない現状。「浪速のアンリ」のゴール量産が、今季まだ未勝利のG大阪にとって微かな光となった。【奈島宏樹】