<J2:水戸2-1札幌>◇第8節◇25日◇札幌ドーム

 コンサドーレ札幌は水戸に1-2で敗れ、大事な5連戦初戦を落とした。0-1で迎えた後半13分にMF上里一将(24)のミドルシュートで同点に追いついたが、同23分に2点目を献上した。失点はいずれもCKからのこぼれ球を押し込まれたもので、今季セットプレー絡みの失点は10点中6点。攻撃陣も7試合6得点と振るわず、攻守ともに負の連鎖に陥っている。勝ち点は8のままで、昇格圏3位との勝ち点差は8に広がった。

 リスタートの大事な1戦を落とした。1点ビハインドで迎えた後半43分。MF砂川からの左クロスをゴール前で受けたMF古田は、フリーで受けるも、ワントラップする間にDFに囲まれシュートミス。ロスタイムにもDF藤山のパスを受けたMF宮沢がゴール前に入ったが、選択したのはシュートではなく、左サイド近藤へのパスだった。決定的な同点機はむなしく消え、終了のホイッスルが鳴り響いた。

 放ったシュートは、相手を11本上回る19本。それでもゴールを奪えたのは、カウンターから上里が放ったミドルシュートだけ。押し込んでも、押し込んでもゴールに至らない悪循環の中、セットプレー2発であっさりと勝ち点3を譲った。宮沢は「攻めることはできていたのに…。しっかりチャンスを決めていかないといけなかった」と肩を落とした。

 追加点が奪えず、セットプレーに沈む。今季の攻撃陣は7試合6点、守備陣はセットプレー絡みで10失点中6失点。もがき続ける札幌の課題は、敵将が鋭く見抜いていた。水戸の木山監督は勝利後の会見で言った。「シュートは打たれても脅威と感じるものはなかった。裏へのスペースさえ与えなければ、サイドからアバウトなクロスしか上がってこない。十分はねかえせると考えていた」。攻撃は封じ込まれ、逆に6点中4発をセットプレーで決めている水戸の策にのまれていた。

 ゴールデンウイーク連戦の出足の試合でつまずいたが、悪い流れをひきずりたくない。石崎監督は「くさびに入って、あとの散らしの部分が課題」と言う。近藤は「これなら決まるという絶対的なパターンがあれば」と振り返った。攻守ともにタレントは十分そろっている。3位との勝ち点差は「8」に開いたが、きっかけさえつかめば状況は上向くはずだ。【永野高輔】