J1磐田GK八田直樹(23)が、次節横浜戦(5月1日)で2戦連続完封勝利と攻守にフル稼働を誓った。28日、大久保グラウンドでの練習では、居残りで何本も特大ロングキックを放った。高く舞い上がったボールは、軽々反対側のペナルティーエリア付近まで到達。推定飛距離70メートル以上のキックが繰り出された。1本のキックで相手ゴール前まで運べれば一気にチャンス。「自分の強みの1つなので狙っていきたい」と意気込んだ。

 前節浦和戦(24日)で自身初の完封勝利を果たした。ピンチで好セーブを見せる一方で攻撃でも見せていた。前半28分には、八田のゴールキックを前線のFWイ・グノが競り勝ち、MF西が相手GKと1対1になる絶好機を演出。自慢のキック力は相手にとって脅威になる。八田は「日産(スタジアム)でも同じような状況をつくりたい」と話した。

 埼玉の芝生は23ミリに刈りそろえられており、ヤマハの12ミリに比べて倍近くも長い。そのため、ボールが芝生の上に浮いている状態で「埼スタ(埼玉)の芝生は長かった。だから下からすくい上げなくてもいいから蹴りやすかった」と言う。芝生が長ければ長いほど八田の飛距離も長くなる。次節使用する日産スの芝生は通常20ミリと長めの設定で、その効果は期待できそうだ。

 自身のキックがゴールの起点となって完封すれば、02年以来8年ぶりのアウェー2戦連続完封勝利。「負けたら浦和に勝った意味がない」と八田。浮沈の鍵を手足で握っている。【栗田成芳】