中断期間にエースFWを“改造”する。コンサドーレ札幌は7日、札幌ドームサブグラウンドで約2時間の練習を行った。チーム練習後には沖田優コーチ(32)が居残りでFWキリノ(25)に前線でのボールの受け方を指導。18日からのリーグ再開を見据え、オランダ代表FWファンペルシーら世界的ストライカーの動きを手本に動き方を補正して、キリノの得点力を倍増させる計画だ。

 キリノの速さに「かけひき」を合成する。この日のチーム練習後、沖田コーチは宮沢をパサーにして約20分間、ボールの受け方をたたき込んだ。「出し手が一番出しやすいタイミングで準備しておくよう伝えた」と同コーチ。個別練習前にはアーセナル所属のファンペルシーが動きだしでいったん回り込んでマークを外すシーンなどを編集した映像を見せ、イメージトレーニングも行った。

 実は今回が初めてではない。昨季も石崎監督と沖田コーチが中心となり教え込んだが、身につかなかった。キリノの精神的負担になると考え、今季はDF裏に出たボールを単純に追いかける「速さ」に専念させてきた。だが、オフサイドにかかることも多く「日本のDFとのかけひきも覚えれば得点を量産できる」と同コーチ。リーグ中断の時間的猶予を生かし、改造プラン再試行に踏み切った。

 キリノも前向きで「プレーの質を高めたい。(東京)大黒や(京都)柳沢の動きなども盗みたい」と話した。昨季は48戦19発も今季は15戦2発。2年目のジンクスに悩むエースが貪欲(どんよく)に新能力の開発に挑む。【永野高輔】