梅雨の晴れ間の大久保グラウンドに、柳下正明監督(50)の“カミナリ”が落ちた。磐田はこの日、静岡ダービーに備え8対8のハーフコートゲームを行い、約1時間半の調整を行った。柳下監督は「全くピリピリした様子がない」とチームの雰囲気に一喝。練習中にはMF那須大亮主将(28)の動きに対して、厳しいゲキを飛ばすなど、普段は温厚な指揮官が珍しく感情を表に出した。

 リーグ戦再開前に得点源のFWイ・グノ(25)がG大阪に移籍。さらに、守備の要でもあるDF加賀健一(26)が頸椎(けいつい)骨折で長期離脱と、不安要素があることは否めない。10日のJ2岐阜との練習試合では、今季ボランチで出場していた那須をセンターバックで起用したが、この日のゲーム練習では、再びボランチで起用し、DF大井健太郎(26)を定位置に置いた。守備の鍵を握るセンターバックの起用法はいまだに模索中だ。柳下監督は「相手の攻撃が強力なので、DFの真ん中はどっしり構えたい」と強調した。

 「今いる選手で臨むしかない」と柳下監督。15日は完全非公開で紅白戦を行う予定。決戦までの2日間で、指揮官が戦う姿勢を植え付ける。【神谷亮磨】