いよいよ17日に迫ったみちのくダービー。J1初決戦の見どころは終盤に訪れる。ともにW杯中断期間に加入した、ゴリこと山形DF前田和哉×191センチの仙台FW朴成鎬(ともに27)の肉弾戦から目が離せない。新戦力が実力を発揮したとき、勝ち点3をゲットする。

 その激突がダービー新時代を告げる。先発デビュー濃厚のモンテディオ前田がピッチで待ち受けるのは、途中出場でのデビューが見込まれるベガルタの朴成鎬。両チームの命運を握る、守備の要と攻撃の柱の対決は、必然的に熱くなる。

 前田は「石井と声を掛け合って結果を出したい」。突進してくる巨体を、周囲と連係し封じる構え。協力要請に応じるDF石井は「ゴリさんとの連係は大丈夫。ゴリの由来?

 (ゴリラ似の)顔でしょ」と、あうんの呼吸をみせた。

 一方、朴成鎬はこの日、紅白戦で得点し調整に自信を持つ。「とにかく早いうちにゴールを決めたいね」と、山形戦での得点をあいさつ代わりにする。手倉森監督は「(紅白戦で)結果を出したんで、途中からあるかもしれませんね」と期待をかける。

 大ヒット映画「キングコング」の中でエンパイアステートビルに、キングコングが登る名場面がある。朴成鎬と前田が競り合うシーンは、それに匹敵するインパクトを、観衆の脳裏に残すはずだ。191センチの“超高層ビル”を取り囲む“ゴリら防衛軍”。シナリオのない試合終盤のクライマックスとその結末は17日、明らかになる。【山崎安昭】