どうしても勝てない相手に勝ちたい。リーグ2位の清水は24日、アウェー(瑞穂陸=午後7時)で3位の名古屋と対戦する。敵将のストイコビッチ監督が就任した08年以降はリーグ4戦未勝利(1分け3敗)。昨年の天皇杯準決勝でも敗れている「鬼門」を破り、首位再浮上を目指す。

 同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。前節の磐田戦(0△0)で6節ぶりに首位を明け渡した清水が宿敵に立ち向かう。ここ2年、1分け4敗と苦手としている名古屋との対戦を前に、長谷川健太監督(44)は「我々は勝ち点を積み上げていかないと、優勝はない。熱いゲームをして、その中で勝ち点3を積み上げたい」と、言葉に力を込めた。

 首位鹿島との勝ち点差は2で、1節で首位奪還するためには、勝利=勝ち点3が絶対条件になる。FW岡崎は「こういうところがチームの力の見せどころ。名古屋はいつでも優勝を狙えるぐらいのメンバーがそろっているけど、そこを倒して上に行くのを見せたい」。移籍後、名古屋と初対戦になるMF小野も「どの選手も代表クラス。チームの形もできている」と、ベタ褒めしながらも「ぼくたちは勝つことだけを考えて、全員で守って、気持ちよく攻撃をしたい」と、ブレはない。

 昨季は第28節に首位に浮上したが、その後、まさかの5連敗で7位まで後退。苦い思いを背負ったまま、シーズンを終了を迎えた。長谷川監督は「まだ順位は、それほど気にしていないけど、2位に落ちた次の試合という意味では大事になる」。教訓を生かす意味でも結果が欲しい試合になる。【為田聡史】