<J1:大宮1-0浦和>◇7月31日◇埼玉

 浦和フィンケ監督(62)の血圧は、上がりっぱなしだった。シュートが相手に阻まれる度に顔を紅潮させ、ピッチに向かって怒号を発した。最下位の京都から今季最多4得点を奪ってからわずか3日後、17位に低迷する大宮を本拠地に迎えた「さいたまダービー」で完封負け。前半40分に退場者を出した相手に決定力を欠き「自分たちで人生を厳しくした。決めきれずに敗者の道を歩んだ」と吐き捨てるように言った。

 後半4分にはFWエジミウソンがポスト役となり、後方から駆け込んだMF阿部がシュート。同19分には至近距離からMF柏木が何度も蹴り込んだが、ゴールを割れなかった。試合終盤には、193センチDFスピラノビッチが自らの判断で前線にとどまってクロスボールを待ち構えたが不発。FW田中が足の筋肉に違和感を訴え、44分間でピッチを去ったのも痛手だった。

 約3カ月ぶりの連勝で勢いに乗るはずが逆に、ホーム戦3連敗。試合後、サポーター席からは勝利の渇きを潤すはずの飲料水が、選手に向かって放たれた。